こんにちは、ミイトです。
11月も半ば、編み物シーズン真っ盛りとなってまいりました。
みなさん、針の進みははかどっていますか?
今回は以前にご紹介したNOVITAの毛糸の最近の動きについて触れてみたいと思います。
以前の記事はこちら
『毛糸だま2020冬号』から推測する今後のNOVITAの動向
さて、日本ヴォーグ社から
『毛糸だま』2020冬号
が発売されましたね。
愛読されている方も多いのではないでしょうか。
今回もかなりの読み応え、編みたい作品が沢山載っています。
読み進めていくうちに、ちょっと気になったことがありました。
それは今後のNOVITAの動向。
というのも、今回の毛糸だま2020冬号では、表紙を見ていただくと見出しに
・NOVITA YARNで編む北欧ニット
・ソックス沼に沈みたい
・ムーミンワールドへようこそ
と並んでいます。
表紙に記載されているのですから、
なかでも特に
雑誌を手にした人に気を引いてもらえそうで、
手に取ってもらいたい、読んでもらいたいコーナーなのだと推測されます。
開いてみると、この初めの「NOVITA YARNで編む北欧ニット」のコーナーに、
以下のような文章がありました。
創業者のひ孫にあたる社長のダニエラ・ウルヨ=コスキネンは、ノヴィタ社の製品やデザインを、これまでよりさらに広く、世界中の人々に届けたいと熱心に取り組んでいます。
日本ヴォーグ社『毛糸だま 2020 Vol.188冬号』より
おそらく、このコロナ禍で、
巣ごもり需要がしばらく続き、
編み物が今後も盛り上がっていくことを見据えて、
私たちNOVITAはこれから世界中に勢力的に糸を販売していくよ、
という意思表示なのでしょう。
NOVITAのホームページもいつごろからか刷新されていて、
以前に比べていろいろなパターンも載っているように思います。
今回は、これらの毛糸だまの記事で、
NOVITAがどのような提案をし、
今後どんな動きをしようとしているのかを推測してみたいと思います。
(あくまでも私見です。毛糸だまの編集者の方の意図と違ったらごめんなさい)
NOVITAの糸でウエアを編むという提案
NOVITAの糸というと、ソックヤーンというイメージが強いのですが、
この初めの「NOVITA YARNで編む北欧ニット」のコーナーは、
ソックス作品の掲載ではありません。
見開き2ページのみであるもの、
1ページ目はカラフルな丸ヨークとアラン模様がコラボしたカーディガン、
2ページ目はソックヤーンでぐるぐる輪に編み進めてストライプをランダムに出していくという、メンズセーター。
2ページともウエアの掲載なんです。
NOVITAの糸で靴下だけじゃなくて、ウエアも編んでねーーー
という提案のようです。
ソックスに比べて、玉数、がぜん稼げますからね。
そして、ページの隅には
「作品で使用した糸はユザワヤの通信販売で購入できます」
と、ユザワヤがNOVITAの日本正規代理店であることを打ち出しています。
日本では大手手芸用品店のユザワヤという販売網で
たくさん糸を売っていくから、
ソックスだけじゃなくてウエアもうちの糸で編んでみてね、
というところでしょうか。
日本人ももっとソックス編んで、という提案
次に「ソックス沼に沈みたい」のコーナーです。
こちらはNOVITAだけでなく他のメーカー、デザイナーの作品もたくさん掲載されていて、
もっとソックニッターを増やそう、
ソックス沼にはめてしまおう、
という企画と伺えます。
ここでもこんなコメントがあります。
日本では比較的新しい沼ですが、
日本ヴォーグ社『毛糸だま 2020 Vol.188冬号』より
世界には古くから「ソックニッター」と呼ばれる
深くて大きなマニアの沼があるのです
確かに。
インスタグラムでも、
#sockknittingや#sockknittersofinstagramなどのタグで検索すると、
何十万もの投稿がみられて、
カラフルなものや超絶技巧なものなど、
世界中のいろいろな靴下を見ることができます。世界の沼は深そうです。
それから今回の毛糸だまには、ソックスのデザインは
風工房さん、西村知子さん、兵頭良之子さんとそうそうたる面々。
もちろん編み方も載っていますよ。(お得♪)
そして、そこにNOVITAとDMCのデザインが加わっています。
DMCと言えば、今年英国のプレミアムブランドROWANを傘下に入れ、
最近では西武渋谷店にROWANの店舗を出店したところ。
DMCの今後の日本での展開にも目が離せません。
またソックヤーンと言えばOpalもあります。
ここにNOVITAはどのように戦っていくのか、注目です。
この日本でソックスブームを引き起こし、大きくしていこうとする波と
NOVITAがどのよう絡んでくるのか注目したいところです。
北欧の毛糸はISAGERだけじゃないよ、という提案
ちょっとそこまで言っているか?
と疑問ではありますが、
北欧の毛糸はデンマークだけじゃないし、フィンランドのNOVITAの糸もよろしくね、
という感じは伝わってきました。
というのも、実は毛糸だま、3年間続いていた
ISAGERの世界
という連載コーナーが、前々号↓で終わってしまったところ。
最後にCUCUMBER(キュウリ)という、これまた斬新なウエアを掲載して
幕を閉じてしまったので、今後これに変わるコーナーは来るのだろうか、と思っている方もいるはず。
そんな中、ムーミンワールドへようこそのコーナー。
フィンランドでもっとも有名なキャラクターのムーミンと
NOVITAの糸を使ってのコラボ作品。
北欧テイストを色濃く出して攻めてきた感はありますね。
しかしながら、ISAGERのように、
引き揃えの組み合わせで幾通りの作品が生まれ、
湯水のごとくあふれ出てくるデザインの多さに敵うものは
なかなかないと思われます。
なので、NOVITAがISAGERのように
毛糸だまで連載していくということは
ムーミン一本では難しいと思われますが、
NOVITAが今後、北欧らしさをどのような形で展開して広めていくのかは
注目したいところではあります。
ちなみに今回の毛糸だまには、
ムーミンやミーを編みこんだソックスとクッションの
編み方が掲載されていますので、
ムーミンやミーの図案が欲しい方は、今号の購入、おすすめです。
まとめ:今後NOVITAの毛糸がもっと身近になってくるといいですね
なんだか、すっかり毛糸だまの宣伝のようになってしまいましたが、
こんな風に雑誌の企画の意図を推測しながら見ると、またいつもの雑誌や昔の雑誌も楽しめます。
というのは今回のおまけですが、
NOVITAの今後の動向で明らかなところでは、
日本では正規代理店としてユザワヤと組み、日本での展開を広めようとしているのだなー、というところです。
が、ソックヤーンとしてもまだまだOpalの梅村マルティナさんのような方が
メディアを通じて広める感じはなさそうですし、
ユザワヤの店舗を覗いても、ソックヤーンの並びとしては、
NOVITAはまだまだ棚が少ないように感じます。
毛糸はネットで買う時代になってきつつはありますが、
やはり質感、色味などは実際に触って確かめたいという需要はあると思います。
まずはたくさんの人に知ってもらって、
これからもっと身近にNOVITAの糸があるようになってくると、
一ニッターとしてもうれしいです。
今回の毛糸だまの掲載は、この一歩なのでと思いました。
みなさんもぜひ一度NOVITAの糸で編んでみてくださいね。